内分泌内科

内分泌内科

内分泌内科では、体の中の「ホルモン」という物質の異常によって起こる様々な病気の診断と治療を行なっています。 対象疾患は内分泌性高血圧、副腎疾患、下垂体疾患などがあります。


ホルモンのはたらき

ホルモンは体の健康維持のためいろいろな機能を調節していますが、主には個体の生命と活動性の維持、成長と成熟および生殖機能を担うはたらきをしています。
体の中には100種類以上のホルモンがあると言われていますが、それぞれが異なるはたらきを持っています。体の健康を保つ為、いろいろな機能を調節している、一種の潤滑油とでも言って良いでしょう。
ホルモンは強いはたらきを持つため、体の中のホルモン量は必要なときに出されます。通常は一定量に保たれるよう微妙な調節が行われておりますが、多過ぎてしまうと身体に様々な疾患をもたらしてしまいます。

内分泌性高血圧

内分泌性高血圧とは、主に内臓のホルモン分泌異常によって、血圧が高くなるタイプの病気です。
ホルモン分泌が過剰になる内臓には、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、腎臓などがあり、高血圧の約15%を占めます。
高血圧になる原因が、ホルモン分泌異常であると明確に分かるタイプであるため、治療はホルモン分泌を正常に戻すことを中心に行われます。
内分泌性高血圧では、特に原発性アルドステロン症が有名です。
これは、腎臓の上にある副腎に腫瘍ができ、副腎が肥大化することによって、アルドステロンというホルモンが、たくさん分泌される病気です。
そして、血液中にアルドステロンが大量に出てしまうと、血液を濾過する腎臓でナトリウムが尿を出にくい状態にし、体内に蓄積されてしまうために、高血圧になるのです。

また、アルドステロンを適切に分泌されるように治療をすれば、完全治癒も可能ですが、原因となるホルモン分泌の陰には悪性腫瘍が、隠れている場合もあります。
悪性腫瘍の治療を行って、ホルモン分泌が徐々に正常に戻れば、血圧も正常になっていきます。

副腎疾患

腎臓の上に左右一対存在してる副腎は血圧、血糖、水分・塩分量などの体内環境を常にちょうど良い一定の状態に保つためのホルモンをつくっています。これらのホルモンは生命の維持に不可欠ですが、多すぎても少なすぎてもいけません。

副腎で作られるホルモン
皮質のホルモン

ステロイドホルモン(コルチゾール、アルドステロン、DHEA)

髄質のホルモン

カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)

クッシング症候群

副腎の皮質の細胞からできた腫瘍で過剰に副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)が分泌されることにより発症します。症状は肥満で特に手や足は細くおなか周りに脂肪が付いてきます。妊娠線のような赤い線(赤色線状)がおなか周りに出現することがあります。顔がお月様のようにまん丸になってきます。(満月様顔貌)高血圧や糖尿病を併発します。
筋力の低下や骨が脆くなり時に骨折を引き起すことがあります。

原発性アルドステロン症

副腎の皮質の細胞からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌することにより発症します。腫瘍が明確に分かる場合とそうでない場合があります。明確でない場合は副腎の一番近い静脈からカテーテルで血液を採取して片方のみ過剰に分泌していることが確認できた場合手術となることがあります。両側性の場合は内分泌内科医とともに相談して治療に当たります。症状はコントロール不良な高血圧と筋力の低下が起こります。血液生化学の検査でカリウムが低下しているこがあります。

アジソン病

何らかの原因(結核性や自己免疫性が多い)慢性的にコルチゾールが出なくなった状態です。唇や爪の周りの色が黒くなり、体重減少、食欲不振、集中力の低下、脱力感、低血圧、低血糖などの症状が見られます。

下垂体疾患

脳下垂体は脳の真ん中から垂れ下がっている小さな器官ですが、他の内分泌腺のホルモン分泌を調節したり、尿量を調節するなど非常に重要な役割を果たしています。脳下垂体のホルモン分泌が増加する病気には巨人症、末端肥大症、無月経-乳汁漏出症(プロラクチン産生腫瘍)などがあります。
逆にホルモン分泌が低下する病気には下垂体機能低下症や尿崩症があり、前者では複数のホルモン分泌が障害されることもあります。下垂体機能低下症は自覚症状がはっきりしないことが多く、正確な診断が困難なことが少なくありません。
当院では日本内分泌学会専門医による正確な診断・治療を行っています。


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